[OSM-ja] OSM ライセンスの変更

Shun N. Watanabe shunw @ ics.uci.edu
2009年 12月 9日 (水) 20:59:10 GMT


nazotoko の渡邊です

2009/12/8 SHIBATA Akira <help @ eva.gr.jp>:
> 柴田(あ)です。
> <bfa292780912081539l747b7175ude9cb18e2582a7a1 @ mail.gmail.com> の、
>   "Re: [OSM-ja] OSM ライセンスの変更" において、
>   "Tue, 8 Dec 2009 15:39:02 -0800" 発信のメイルで
>   "Shun N. Watanabe"さんは書きました:
>
> 日本ではパブリックドメインに置けないという話を
> 読んだような気がしましたら wikipedia だったようです。
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3

日本の著作権法は本当にパブリックドメインを宣言できませんが、
その宣言は外国では有効になるので、それでも意味がありますよ。
OpenStreetMap のデータベースサーバーは、イギリスにあり、
Cloud made が作っている Japan.osm はアメリカにあるので、
それぞれの国の法律によりパブリックドメインで扱われます。
日本に持って帰ってくるとまた著作権が復活するのですが。

> 私が入力した情報はもう煮るなり焼くなり捨てるなり
> どうにでもしてくれという感じで山形氏の遺言状ほどの
> モノイイではありませんが、パブリックドメインに
> おきたいと思うくらいです。
>
> 参考:「山形浩生の遺言状」 http://cruel.org/will.html

山形氏の遺言はパブリックドメイン宣言でなく、
GPL で「自由を強制する」方なので、
わかってもらえているのか微妙なのですが。

オープンソースライセンスというと大抵3 つにわかれています。
1. パブリックドメイン (なんにも強要しない。書き換えたら自分が全部作ったと言ってもいい)
2. 表示義務のみライセンス (元著者が誰と言う表示と、ライセンス文書を消さなければ、書き換えた部分は秘密にしていてもいい。)
3. 表示・継承義務ライセンス。(元著作者の名に於いて命ず「あなたも全てを開放しなさい」そして、「あなたもこの強制をしなさい」。同意できない場合、あなたはこのデータを使うことができません。)

3. のタイプがGPL や CC-BY-SA 、そしてこのODbL です。
2. のタイプは代表的なものを取ってBSD スタイルと言われます。

オープンソースと言う言葉ができてから、10年以上これらのライセンスが入り乱れていますが、どのタイプが一番良かったかなんて答えはありません。
営利企業は1.2. タイプを歓迎する傾向があり、
3. のタイプは反著作権的指向を持つプログラマーが歓迎している傾向があります。
私が個人的に反対の立場なのは、私の理想が2. のタイプだからです。

> 多くの人に追従するというか、みんながそういうライセンスで
> というそれに従います。
> よって、投票は特にする気がでないです。

今やってるOSMF の会員投票は、
OpenStreetMap のライセンスの変更の投票ではなく、
ODbL version 1. の信任投票なので、しなくてもいいですが、
後ににくるであろう貢献者投票は無関心であってはいけません。
というのは、どうもかなり賛成派と反対派の数はかなり僅差っぽく見えて(wiki とml を見るのみでは)、
みんなが意見一致なんてことはない気がします。
投票結果が圧倒的多数によって決まらなかった場合によっては、
OpenStreetMap の分裂がもっとも有効な解決法だと思います。
オープンソースプロジェクトがライセンスの違いにより
混じらなかったり、分裂したりすることはよくあることで、
悪いことでもないです。

 Shun N. Watanabe




Talk-ja メーリングリストの案内