[OSM-ja] 津波 ( 日本での災害)と OSM

TANAKA Toshihisa tosihisa @ netfort.gr.jp
2010年 3月 2日 (火) 10:28:07 GMT


としです.

「災害」に関しての私見です.

私個人は,災害に関しては,「国,地方自治体にだけ」何かを期待してはいけないと
考えています.

私は昔,神戸で開催された国連防災世界会議をネット中継しました.
http://www.bousai.go.jp/wcdr/

その時に学んだ言葉として,「Community based disaster management (CBDM)」が
あります.コミュニティ主導による災害管理(と言う表現もナンですが)です.

「災害」が発生した時,最終的に役に立つのは,地域住民の連携だと思います.
地方自治体,国は,大きな枠組みで考えていますが,詰まる所地域住民の連携が
無ければ効果は薄いです.

OSM は,地域コミュニティ...とはまた別ですが,しかし,コミュニティ要素を持つと
思います.私個人は,仮に国,地方自治体と OSM がうまく連携できないとしても,
OSM は OSM として,災害についてどう向き合うか,考えるのは良い事だと思っています.

また,災害に関する企業の取り組みとしては,最近は,要請があり次第,コンビニ店が
物資を供給すると言う協定事例もあります.
http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.cgi?mode=ref&yy=2007&mm=11&seq=169

私も昔一度,コンビニで「この店は地震があった時に物資を供給します」と言う張り紙を見て,
ほほぉと思った記憶があります.

ハイチの地震の際は,ICOM と言う,無線では割と有名なメーカーが,無線機を寄贈しています.
http://www.icom.co.jp/release/20100129/

渡邊さんのフォローにもありますが,企業は企業目的に従い,営業行動をしているのは事実です.
とは言え,地震等の様な,場合によっては広域に渡る災害の場合,それを抜きにしての営業活動は...
無いようにも思います.これは,私が関西圏にいるからかも知れません.

OSM の話に戻ると,もし私が住んでいる,大阪府堺市に地震があり,道路がズタズタになれば,
今の(まだまだデータが不足している)OSM 地図に,被災マップを描こうと思っています.

不完全な情報の上にさらに,被災マップを描くのは,もしかすると混乱を招くやも知れません...
Google Map 上に被災状況を入れる方が良いかも知れませんが,OSM 地図に被災状況を
描こうと考えています.

「OSM 地図を作図するにしたって,ネットが要るよ?災害時は?」
確かにそうです.災害時は,ネットは多分使えません.
携帯電話も使えるか,使えない事を考えた方が良いでしょう.

が,OSM は,バッチ的なコミット(登録)が可能です.
要するに,「地図データを作る」行為に,ネットは必ずしも必要ではありません.
「地図データを OSM サーバにコミットする」時にだけ,ネットが必要です.
オフラインで作成した更新 OSM データを,誰かに渡しさえ出来れば,代理コミット可能なはずです.

恐らくこれは,他の地図サイトでは...多分できないはずで,
OSM の持つアドバンテージだと考えています.

ではこれにて.




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