[OSM-ja] 国土地理院の正射画像(オルソ空中写真)データ

Shun N. Watanabe shunw @ ics.uci.edu
2010年 5月 5日 (水) 23:08:16 BST


nazotoko の渡邊です。

2010/4/30 ikiya <insidekiwi555 @ yahoo.co.jp>:
> 国土地理院が作成している正射画像(オルソ空中写真)データの
> 提供範囲が増えてきています。
> http://www.jmc.or.jp/denshikokudo/ortho/index.htm
>
> 解像度も今どきの高解像度です。(プライバシー大丈夫というぐらい)
> 現状は購入により入手できます。

正確には、昔から購入は全国どこでもできて、
閲覧ができる範囲が電子国土に増えているだけです。
この写真とそのオルソ化作業は、国土地理院の地図と高度データを
得るためのものなので、非常に解像度・精度が高いです。
国土計画局のでは、利用できない物としてあげられている
建築計画などに利用することができます。

> これらを利用した成果品を次第に"正射画像(オルソ空中写真)使用"と
> いう形で目にする機会が多くなると思います。

たぶんないです。
これを個人的に利用する分も、購入する必要があり、
派生作品の公開にも、国土地理院の許可がいります。
同じ手間をかけると、国土地理院の地図が使えるようになるので、
地図を描くために、許可を取りにいく人はいないと思います。
私が思うに、この正射画像の利用者は非常に少ないです。

> これらは以前、国土計画局から公開され、現在は公開終了している
> "オルソ化空中写真"とは全く別のものです。
> 許可なしにOSMには利用できません。

たぶん国土計画局のオルソ化空中写真がそろそろなんか、
公開されてるんじゃないかと気になってるのでしょう。

なぜか見つけた財務省の文書によると、
提案書
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy210703/2107d_29.pdf
では、
1. とりあえず3200万円も係っていたシステムを停止する。
 (こんだけあったらOSMF が2つ作れるので、絶対に誰かボッタくってるのですが)
2. 今後のオルソ化作業はしない。(だから、広島・北海道・小笠原諸島が増えたりしない。)
3. 国土地理院の「電子国土Webシステム」を使うと費用はほとんど増えないはず。

この中にWMSが使えるシステムについては何にも書いてません。
たぶん、WMSでは復活せず、tiff タイルでの配布だと思います。
電子国土Webシステムは著作者の権利が維持されるので、
それで前と同じ利用規約なら、WMSを他の誰かが運用したり、
私がtiff タイルから、3月に取り損ねたところをうめていくなりすればいいんだと思います。

実施報告
http://www.mof.go.jp/seifuan22/hanei/tyousa/43.pdf
1. 国土交通本省による空中写真の取得・オルソ化及び「オルソ化空中写真ダ
   ウンロードシステム」の運用は、予算執行調査結果の指摘を踏まえ、平成
   21 年度限りで終了する。
2. 空中写真画像等の提供システムにおいて平成22 年度中に提供
   を開始する予定である。

1. はその通り終わりました。
2. 「空中写真画像等の提供システム」が「国土変遷アーカイブ」なのかわかりませんが、
 とりあえずあと1年以内にはなんとかなるのでしょう。

「国土変遷アーカイブ」は、個人的にはすごく嫌いです。
フィッシングサイトとかスパイウェアーとかの関心が
薄かった時代には、右クリックとすると「閲覧のみできます。保存しないでください。」と
警告がでたり、それでも保存してみると、覆い被さっている透明なGIFファイルが
保存されていたりと、徹底的に複製を禁じていました。
著作者だったら当然の権利なのですが、公開されている写真は
米海軍が第2次大戦前後にとった物や、100年くらい前の写真など、
「それってパブリックドメインじゃないの?」と思う物ばかりです。

他にも国土地理院がパブリックドメイン性を奪った例は、
アメリカ合衆国から帰ってきた「伊能図」です。
国土地理院で閲覧できるらしいので、見ていたのですが、
見事に「国土地理院の著作物であり、不許複製」とかいてあったので、
滅入りました。
アメリカ合衆国にあったときはもちろん著作権などついてません。

ダウンロードの手段などなんでもいいから、
あの自由な「利用規約」だけは何とか守ってほしいものです。

 Shun N. Watanabe




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