[OSM-ja] ODbLオンライン勉強会(その1)

Shu Higashi s_higash @ mua.biglobe.ne.jp
2012年 6月 18日 (月) 16:29:04 BST


東です。

このところライセンスの話ばかりですみません。(ペコリ
既にご存知の方には申し訳ありませんが、最近マッピングを始められた方も
おられるかと思いますので、ODbL勉強会を前に
ライセンス理解のベースになる基礎知識や現状認識をできるだけ
合わせることを目的として(どこまでできるか分かりませんが)
このMLにて私の認識している内容をシリーズでご紹介させて頂きたいと考えています。
私の認識はODbLやDbCLの翻訳(非公式ドラフト)などを通じて得たものです。
なんせ素人ですから間違っているかもしれないので、ぜひ突っ込んでください。

まずはODbLに関わる登場人物を整理します。
簡単にまとめると以下のような関係にあります。

投稿者(マッパー)>OSMF>地理データ消費(利用)者

1.投稿者とOSMF
・投稿者はユーザ登録の際に表示される投稿規約(CT)に同意することで、実際に地理データを投稿できるようになります。
・OSMFはCTに基づき、OSM地理データに対して適用するライセンスの選択(現在はODbLを選びましたが、将来変わることもありえます)を投稿者より許諾されることになります。
・投稿者は著作権を放棄するのではなく、保持したままで許諾を与える形です。
・また、投稿者はデータの投稿にあたり、他の誰の知的所有権も侵害しないことを宣言し、これに反する行為を行った場合にはその投稿を削除されてもやむなしということを承諾することになります。

2.OSMFと利用者
・ODbLとDbCLのセットで利用許諾の内容が規定されています。
・許諾の内容と条件に従う限り、自由に利用することができます。

3.データ、コンテンツとデータベースの違い
・ODbL/DbCLの文脈では、これらは区別して用いられます。
・データまたはコンテンツとは、RDBでいう行(Row、レコード)内の個々の列(カラム、フィールド)に格納されている内容を指します。OSMの地理データで言えば、通常は数値や名前などの文字列(事実情報)ですが、将来的に文章や写真などの著作物を含む可能性もあります。
・データベースとは、この行(レコード)が集積された全体を指します。物理的な形態(PostgresとかCSVとか)は問いません。
・DbCLはコンテンツ(またはデータ)に対しての、ODbLはデータベースに対してのライセンスとなります。

4.利用と使用の違い
・著作権に関わる許諾を定義する場合には、一般的に「利用」と「使用」という用語を区別して使います。
・「使用」とは許諾によらず、普通に問題なくできる行為を指します。例えばブラウザでOSMを見る行為は「使用」になります。
・「利用」とは許諾(ライセンス)によって初めて許可される行為を指します。例えばデータベースの複製は「利用」にあたります。
・あいまいな場合もあるかもしれませんが、ODbL/DbCL対訳ではこれらの用語をできるだけ区別して訳しています。

投稿規約の非公式対訳:
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Open_Database_License/Contributor_Terms


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