[OSM-ja] 歩道のマッピング

Shu Higashi higa432 @ gmail.com
2016年 7月 21日 (木) 06:19:30 UTC


東です。

歩道マッピングについてOSMブログに書こうと思っているのですが
以下の様なマッピングを進めるにあたり、タグ付け方法など
ひとまずこちらでみなさんのご意見をお伺いできれば幸いです。
(自転車道についてはよく分かっておらず近所にも無いので
ひとまず説明は省いています)

アメリカで「Global OpenSidewalks」というプロジェクトが始まっており
https://uwescience.github.io/DSSG2016-Sidewalks/
歩道のタグ付けの枠組が提案されています。
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/Proposed_features/sidewalk_schema
個人的にはこれに賛同しています。
最終的にはできるだけユニバーサルな歩行者向けのナビゲーションが
できるようにすることを目指して、経路をたどれるようにするための
マッピングを行うものです。

日本では幸い基盤地図1/2500で、比較的広域にわたって歩道を
トレースすることができます。トレースで下書きをした後に現地調査して
仕上げる手順が良いのではないかと思っています。

1.トレース方法
1.1 基盤地図1/2500
1.1.1 車道に沿った普通の歩道
明示的に歩道が判別できる部分をトレースします。
highway=footway
footway=sidewalk

1.1.2 エリアとしての歩道
いわゆるペデストリアンデッキのような広い部分は既に
highway=pedestrian
area=yes
というようにエリアで描かれている場合があるかと思います。
それはそれで残しておいて、通行時の目安となる経路を
highway=footway
footway=sidewalk(道路の脇にある歩道ではなく、広場などでは省略)
でラインとして描きます。

1.1.3 歩道の進行方向
歩行者にとって、特に指定がない限り歩道の進行方向は決まっていません
(=双方向です)が、手すり(handrail)や斜度(incline)などのタグは歩道に
付随するものとして方向(右側/左側、上り/下り)が必要なので、
歩道を描く際の進行方向は右側を歩く際の進行方向が前になるように
描くと良いと思います。

1.2 衛星/航空画像
1.2.1 ゼブラゾーンのある横断歩道
横断歩道は基盤地図ではわからないので鮮明に見える衛星/航空画像を選び、
横断歩道のゼブラゾーンが見つかったら車道を横切る形でラインを引き、
歩道どうしをつなぎます。
highway=footway
footway=crossing
crossing=zebra(省略可)
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/430193336

1.2.2 ゼブラゾーンの無い横断歩道
住宅街の道路(歩道なし)が幹線(歩道あり)にぶつかる部分など、
幹線沿いの歩道がいったん無くなり、住宅街の道路を横断する形になる
箇所がよくあります。
このような箇所にはゼブラゾーンが無いところも多いのですが、
歩行者の経路の一部なので、ゼブラゾーンの無い横断歩道として描きます。
highway=footway
footway=crossing
crossing=unmarked
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/430725238

2.現地調査
2.1 歩道の詳細
路面、幅、斜度などをマッピングします。
surface=*
width=*
incline=*
幅や傾きは詳細にやり始めるときりが無くなるので、
初めは車椅子での通りぬけが難しそう等、注意が必要な箇所だけで良いと思います。
メジャーや水準器なども持参しておくと幅や斜度など問題となりそうな
箇所の数値を測定することができます。
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/430193334

2.2 点字ブロック
歩道のうち、点字ブロックが敷かれている部分を区切って
tactile_paving=yes
のタグを付けます。
直進用だけでなく、横断歩道の直前など、立ち止まるべき場所にあるものも
丁寧にタグ付けします。視覚障害をお持ちの方は、特に車道と交わる
縁石部分がまっ平らになっている場合は点字ブロックが無いと車道との境界
(停止位置)が分かりません。
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/153205104

2.3 縁石
障害のある方にとって歩道と車道が交わる部分で縁石がどのようになって
いるかは非常に重要なチェックポイントです。
車椅子利用者にとってはフラットなほど良く、おおよそ3cmくらいまでの高さ
であれば乗り越えられますが、一方で白杖利用者にとっては車道との境界
(立ち止まる位置)を判断するのに段差があった方が分かり良い
(フラットであってもその手前に点字ブロックがあればOK)という面があります。
車道、縁石、歩道の高さ関係としては以下の様なものがあります。
・車道と歩道が同じ高さで、縁石のみ高くなっているもの
・車道だけが低くて、縁石と歩道が同じ高さになっているもの
・車道が低く、次に歩道が高く、さらに縁石がより高くなっているもの
細かく描けば、歩道と車道の間にある縁石は、ほぼ歩道とおなじだけ
ありますから、ラインとして延々と描くこともできますが、
重要なのは歩道から車道に降りなければならない箇所での縁石の状態です。
従って、ここでは歩道と車道の接点に位置する縁石の状態を
ポイントとしてマッピングすることを主眼にします。
歩道と車道の接点にある縁石の高さは、最近では比較的配慮されて
いるところが多く、3cm以上の高さが残っているところは少ないです。
このため、縁石の高さもcm単位でタグ付けできるのですが、
それは危険な箇所だけ特に測れば通常はおおよその判断で十分です。
外観的に見て、おおよそ以下のようにタグを区別します。
highway=curb
kerb=raised(持ち上がっている)/flush(まっ平ら)/lowered(ゆるやかな傾斜)/no(縁石が無い)
https://wiki.openstreetmap.org/wiki/Key:kerb
<例>
http://www.openstreetmap.org/node/4294717998

2.4 横断歩道
路面(たいていはアスファルト)や歩行者向け信号をマッピングします。
歩行者用信号の有無、横断歩道のゼブラゾーン有無なども合わせてタグ付けします。
highway=crossing
crossing=uncontroled(歩行者用信号なし)/unmarked(ゼブラゾーンなし)/zebra(ゼブラゾーンあり、省略可)
横断歩道に点字ブロックが敷かれている場合は下記を付加します。
tactile_paving=yes
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/430199720

2.5 歩行者用信号
物理的には横断歩道の両端に2箇所設置されていることが多いと思いますが、
通常同じものが設置されていることが多いので、論理的にひとつとみなして
車道との交点ノードに以下のようにタグ付けします。
highway=crossing
crossing=traffc_signals
<例>
http://www.openstreetmap.org/node/600623674

2.6 踏切
簡易的には歩行者が道路を横断できる地点をポイントで
railway=crossing
と表現しますが、路面が木材(枕木)だと車椅子は危なかったりするので
まずラインとして表現します。
highway=footway
footwa=crossing
surface=wood
<例>
http://www.openstreetmap.org/way/47105121
その上で、線路との交点に踏切用信号を描きます。
railway=crossing
crossing=traffic_signals
遮断機と警報は例えば次のようにタグを付加します。
crossing:barrier=yes
crossing:bell=yes
<例>
http://www.openstreetmap.org/node/245519338

2.7 なんちゃって歩道
基盤地図では縁石で明示的に区切られていない歩道は描かれていないようですが、
実際には物理的な縁石ではなくペンキで白線が引かれていたり、
歩道幅が緑に塗られていたりして歩道を表している場合があります。
こういったいわゆる「なんちゃって歩道」の扱いははっきりとは
決まっていませんが、ひとまずは車道に付加タグとして
sidwwalk=left/right/both
をつけるやり方(従来の簡易的な歩道表現)で良いでしょう。
割と幅が広くて分けて描きたい場合は
highwa=footway
footway=sidewalk
kerb=no
と描くと良いと思います。
車椅子や白杖で通る場合は縁石が無いと危険を感じる可能性がありますが、
マッピングとしてはできる客観的な事実を描き、通れる/通れないといった
主観的な判断は当人(というかアプリケーション)に委ねるという考え方が
良いんじゃないかと思います。

2.8 写真
現地調査の際には写真を撮っておき、タグ付けした箇所に紐づけて
image=*
で写真のURLを描いておくと良いでしょう。
補足説明用にアプリケーションでの利用などが考えられます。
mapillaryアプリで撮ると位置情報が付いた形でエディタからも参照できるので便利です。


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