[OSM-ja] 町名のplaceタグ

Ryosuke Amano r-amano @ dp.u-netsurf.ne.jp
2021年 8月 12日 (木) 15:53:38 UTC


横浜のあまのです。

gyotoku810さん
>結局、登記の土地の表示と、住民票や郵便・日常生活で用いられる住所の表示のどちらが正式か、という微妙な問題になってしまいました(登記も住民基本台帳もどっちもofficial・・・?)

結局のところどちらも「正式」なんですね(^_^;)
違うのは、根拠となる法律と管轄省庁と管理単位。

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◎土地の登記の表示:「不動産登記法」(法務省:各法務局が管理)
第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字

第三十五条  登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。

不動産登記規則(平成十七年二月十八日法務省令第十八号)
(地番区域)
第九十七条  地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。
(地番)
第九十八条  地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。
2  地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。

※不動産登記法関係では、大字と小字の区別はなく、単に「字」です。

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◎住民票で用いられる住所:「地方自治法」(総務省:実務と管理は各市町村)
この中で住所に関する条文は以下だけです。

第二章 住民
第十条 市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。

第十三条の二 市町村は、別に法律の定めるところにより、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を常に整備しておかなければならない。
(⇒この条文を基に、住民基本台帳法につながります)

第二百六十条 市町村長は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、市町村の区域内の町若しくは字の区域を新たに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て定めなければならない。

※では第二百六十条にある「町」「字」の定義は?
実は法令のどこにも書いてありません。

なお総務省の「住所」の概念は「各人の生活の本拠」です。(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/zairyu_1/pdf/080805_1_si3.pdf)

では、この住所を表すのにどうするのか?という点で、各市町村が因っているあろう根拠が、龍ヶ崎市のwebページ(https://www.city.ryugasaki.ibaraki.jp/shisei/gaiyo/gaiyo_yomimono/2013081601149.html)にも有った、

『住所は、土地の表記を基本にしつつも、大字と地番により区域が明確となる限りにおいて、小字は省略でき、大字の次に直ちに地番としてよい(昭和38年5月14日民事甲第1359号法務省民事局長回答)』

だと思われ、これを基に各市町村が定めていると思われます。

*内規なためかどこの市町村も規定を公表していない
*一応、東京都は「公文に使用する住所等の表示方法について」(https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00000200.html)との内規が公表されて、公文の中で住所等をどう表示するかの基準を示しており、この内規を基に豊島区と墨田区も準用している模様
豊島区:https://www1.g-reiki.net/toshima/reiki_honbun/l600RG00000068.html
墨田区:https://www.city.sumida.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/g108RG00000072.html

従って、市町村は「各人の生活の本拠」を管理できれば良いので
・稲城市(https://www.city.inagi.tokyo.jp/kurashi/tetsuzuki/jyuukyohyoujisiteimasen.html 
):小字は書かず、番地と枝番号の間に「の」を入れて表記
・つくば市(https://www.city.tsukuba.lg.jp/kurashi/shomei/tennyu/1000758.html)
:小字は書かず、番地と枝番号の間にも何もいれない
・仙台市(https://faq.callcenter.city.sendai.jp/app/answers/detail/a_id/1761/~/%E6%AD%A3%E7%A2%BA%E3%81%AA%E4%BD%8F%E6%89%80%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%E3%80%82)
:小字まで書く場合がある、番地と枝番号の間に「の」を入れて表記
・富山市(https://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/6669/1/01.pdf?20190827151619)
:住居表示地区の〇丁目は町名の一部なので漢数字で「〇丁目」と記載、通称地名を記載する場合は公称町名の後に丸カッコを前後につけて併記

、、、と市町村によってバラバラです。

さらに、いいださんが、通称地名と公的地名が乖離状態の例を挙げてくれましたが
大分市はなんと、住民票や印鑑証明に通称住所を記載でき、またその通称住所で証明を請求できてしまう!!
(役所の表記では公称住所と通称住所という言い方をしていますね)
http://www.city.oita.oita.jp/o048/kurashi/jumintetsuzuki/1214882944906.html

そして長野市。
大字一覧(https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/111619.pdf)
一番左欄の「大字(町)の区域名」が登記上の大字
次の「住所名称(住民登録)」は登記上には現れない通称地名を用いた住所名称(市ではこれを公式にしている)
実は市街地中心部は、大字長野・鶴賀・西長野・南長野の4大字しかなく、その下に権堂・田町などといった通称町名が、さらにその下に小字があるという構造。
そして、この登記の大字+通称町名、もしくは通称町名単独で使うのが通例という。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%87%8E_(%E9%95%B7%E9%87%8E%E5%B8%82)
https://realto.co.jp/local-news/980/

・長野市役所Webページ:「長野市大字鶴賀緑町1613番地」(大字+通称町名表記)
https://www.city.nagano.nagano.jp/
・長野県庁Webページ:「長野県長野市大字南長野字幅下692-2」(登記住所)
https://www.city.nagano.nagano.jp/
・長野地方法務局 本局:「長野市大字長野旭町1108番地」(大字+通称町名表記)
*ご丁寧に「郵便の宛先は『長野市旭町1108番地』で届きます。」(通称町名表記のみ)とまであります。
http://houmukyoku.moj.go.jp/nagano/table/shikyokutou/all/honkyoku.html

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これまでgyotoku810さん他と、住所や地名の論議をする際に、私は不動産登記法に基づく土地の表示を基準に考えていました。しかしながらgyotoku810さんの捉え方も一理あると思い、根拠法令から運用までほんの一部分だけですが見てみました。
正直なところ、OSMに取り入れる住所は、不動産登記法に基づく側でも地方自治法に基づき市町村が規定している側でも、個人的にはどちらでもいいと思います。
ただ、どちらかに決めた後は、決めた側のルールに則っていかないといけないと思います。そうしないと、また途中で色々とぐらつくことにもなりかねません。

今回少し調べてみて思ったのは、確かに地方自治法の方が生活には身近ではあるけれど、ローカルルールのてんこ盛りで、北海道から沖縄まで、市町村によって想像だにしなかった事例がボロボロ出てきそうで、楽しいような大変なような、そんな感じを受けております。

あまの
Ryo-a




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