[OSM-ja] ライセンスの変更 2

Shun N. Watanabe shunw @ ics.uci.edu
2009年 12月 19日 (土) 04:22:33 GMT


nazotoko の渡邊です。

OSM財団の投票終了まで、あと1週間ほどになりましたが、
ここに来て私の書いていたことに二つほど間違いがあります。

間違い 1
> OpenStreetMap のライセンスの変更の投票ではなく、
> ODbL version 1. の信任投票なので、しなくてもいいですが、
> 後ににくるであろう貢献者投票は無関心であってはいけません。
> というのは、どうもかなり賛成派と反対派の数はかなり僅差っぽく見えて(wiki とml を見るのみでは)、
> みんなが意見一致なんてことはない気がします。

致命的な間違いですいません。貢献者にくるのは、投票ではなく
新ライセンスに同意して続けるか、
拒否して出ていくかを選べるのみです。

ライセンスの変更が決まったら、2月26日まで、ログインすると新ライセンスが表示されて、
次のような同意を求められる予定です。

1. Agree. (同意します)
同意します。あなたのデータは以前通りに編集することができます。

2. Agree; and declare that I consider all my data PD (Public
Domain) (同意し、自分のデータをパブリックドメインにすることを宣言します。)
前にも説明しましたが、自分のデータだけはパブリックドメインにすることが許されています。

3. Refuse (拒否します)
2月26日に時点であなたのデータがOSMデータベースから遍歴ごと消えます。
ただしデータは別のデータベースにあって、ほかのプロジェクトに持ち出すことができます。

2月26日までに返事が無い場合はRefuse 扱いになります。
よって、必ず2月26日までにはログインしてください。
また、仕方が無いのですが、少し腹立たしい話で、
貢献者が死んでいる場合、これに答えることもできず、
データを持ち出すこともできないので、
彼らの貢献は永遠に失われることになります。
というわけで、これに答えるまでは死なないでください。

間違い 2
> 最後にこの問題の鍵を握るのはインポートデータの「表示義務」なんだともいます。
> CC-BY 「表示」のデータはパブリックドメインのデータベースに取り込んでも問題ない
> (その時表示すればいいから)とおもいますが、
> CC-BY-SA 「表示・継承」のデータはどうしても法的な「継承」義務なしには、
> インポートできないともいます。
> 日本のKSJ, やオルソ化写真も「表示」を3次4次派生作品には、
> 孫引き表示でいいのは確かめられましたが、
> 「表示義務」はしっかり継承するべきものという
> 意見だったと思います。
> だから、これでもNo ODbL と言う人は、インポート自身反対なんでしょうね。

日本の「国土情報」は「表示」義務のみでもいいと言う答えだった(4次以降はモラルに任せるだから)、
と思いなおしましたというのも訂正事項なのですが、
本当にCC-BY-SAでインポートされていた物は、
ライセンスの変更がCC-BY-SAの上位バージョン以外に選べない制約から、
反対するしかないという実態があると知りました。
アイスランドのインポートデータは、CC-BY-SAで、
ODbL に変更すると国土の7割ほどの地図を失うそうです。
OSMF もこのことはよく知っていますが、
彼らの意見は「全体から見たら少ない損害」だそうです。

追加情報 1
> OpenStreetMap の分裂がもっとも有効な解決法だと思います。
> オープンソースプロジェクトがライセンスの違いにより
> 混じらなかったり、分裂したりすることはよくあることで、
> 悪いことでもないです。

既に分裂とrefuse と答えたあとの行き先に付いての話がtalk ml にでてきています。

1. Google Map Maker
何かと敵扱いされるGoogle Map Makerですが、貢献者の表示は保証されているそうで、
人によってはODbLより自由と感じるかもしれません。

2. Open Maps
http://openmaps.eu/
OpenStreetMap とは無関係なGPS 用の地図を作ってるプロジェクト。
ライセンスは非商用ライセンスです。

3. CommonMap
http://commonmap.info/w/
今日アナウンスされた、OpenStreetMap より分離予定のプロジェクト。
share alike を否定しています。
ライセンスはCC-BY の予定だそうです。

投票後は増えたり減ったりすると思います。機会があればまた紹介します。

 Shun N. Watanabe




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