[OSM-ja] フィーチャーという概念について

Shun N. Watanabe shunw @ ics.uci.edu
2009年 11月 16日 (月) 19:09:55 GMT


nazotoko の渡邊です。

2009/11/16 ribbon <osm @ ns.ribbon.or.jp>:
> ちょっとGIS関係の本で調べてみました。
> その本によると、フィーチャーとは、基本的な幾何学要素のことをいう。
> たとえば、ポイント、ライン、ポリゴンサーフェイスなど ということでした。

多分普通のGIS だとそうなんでしょうね。
feature は英語のなかでは非常に曖昧な単語で、
ほんとうは「もの」くらいしか意味がありません。
コンピューターの業界では「機能」か「特徴」
と訳されることが多いです。

> openstreetmapでのフィーチャーという用語の使い方はこれであっているでしょうか。

OpenStreetMapでのフィーチャーは、POIの概念をウェイやリレーションにまで広めたものです。要するに
「地図にかかれているもの」で、実体はelement にタグによる情報を加えたものです。

表にするとこんな感じ

総称    要素     OSMフィーチャー GISフィーチャー
点     ノード    POI        ポイント
線     ウェイ    ?        ライン・ポリゴン
組み合わせ リレーション ?        マルチポリゴン

要素 element は primitive (プリミティブ)と
JOSM では呼ばれていますが、広くは使われていません。
API では、一貫して element と呼ばれ、OSM のデータ部分では一番普通の呼び方です。
レンダリングされた地図では、feature としか
呼ばれません。
これレンダリングすると、もう幾何学的図形になって、
元のelement データーに戻せなくなるので、
GISのフィーチャーと大して変わらないからです。

なんでこんなに総称が違うかと言うと、OSMでプログラムを書いてる人たちは、むしろGIS素人で、
お絵描きソフトが得意とか
データ変換だけなら任せておけみたいな人が作ってます。
だから、彼らが普通と思う総称で呼ばれるのです。
お絵描きの領域では primitive は普通です。
XML データでは、それはelement と呼ぶのが国際規格です。

 Shun N. Watanabe




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