[OSM-ja] 住所に関する記法と構造について: 丁目の漢数字表記、hamletの利用追加
ISHIKAWA Takayuki
zhnosa-open01 @ yahoo.com
2021年 7月 4日 (日) 09:12:19 UTC
こんにちは、奈良の石川です。
2021年7月4日日曜日 13:36:39 JST、Satoshi IIDA <nyampire @ gmail.com>が書いたメール:
では翻って、じゃぁどう表記してゆこうか?という話になります。
OKADAさんの案を踏まえて、こんなかんじではないかと思うのですが、
こちら改めて、ご意見いただきたいです。
ご提案ありがとうございます。結果だけ見ればいいださんの提案とほぼ差はないのですが、これを読んでいる皆さんに踏まえておいてほしいことがあります。
「為政者と住民は同じ文化を共有している」ということを勝手に前提としてはいませんでしょうか。
私は民族としては大和民族 (和人) ですが、北海道は元々 (文化圏として) アイヌ民族のものです。今の北海道の生活文化からはアイヌ文化は殆ど失われていると思いますが、地名の多くはアイヌ文化から借用しているものです。
そして、住民の多くがアイヌ民族、行政は日本式 (大和民族式)、という土地だってありうるのです。仮に「name:ja-Hira = ああああ」「name:ain-Hira = いいいい」という土地があった場合 (そして住民の大部分がその地を「いいいい」と呼んでいた場合)、name は何が妥当でしょうか。
行政が日本式 (大和民族式) だから、というだけの理由で自動的に「name = ああああ」と確定してしまうものでしょうか。そして、住民がその地をどのように呼んでいるのかということは一切無視されるべきものでしょうか。私はそうは思いません。これらは文化的侵略の一種であり、OSM がそのような侵略の一端を担うことは望ましくないと思います。
私は、住民の認識は常に行政の都合よりも優先されるべきものと考えています。行政は、地方自治体が (他の自治体や国とのやりとりもうまくいくように) 一定の方式で仕事をしているに過ぎません。
ですので、name の値の採用順位として最初に「行政側での住居表示」が出てくることに大きな違和感があります。最優先すべきは住民の認識であり、それが確定しにくい場合や明確な資料が見つからない場合に次善の値として行政が出てくる、というのが最も民族や文化や人権に配慮した順序だと思います。
札幌に住んでいる頃から、「ちゃんと整合性がある (札幌市内・北海道内の) 地名表記が、どうして行政文書などに限っておかしくなるのだろう」という感覚がありました。北海道外に住んでいる今なら原因が分かります。日本国内の多数派の表記に従っている (そのために行政文書などが算用数字ではなく漢数字を使ったりしておかしな表記になっている) ためです。他県とのやりとりのために行政の内部だけ表記を非北海道式にすることは全然かまわないのですが、たかだか「行政がどう扱っているか」という点だけを見て住民の認識も無視して OSM 上の表記が決められてしまうとなると、それはやはり反対します。
再度書きます。行政は、住民の上に成り立っているものであり、他の自治体とのやりとりなどの都合で「行政上の」表記法を持っているに過ぎません。優先すべきは住民の認識です。それが確定しにくい場合に行政上の表記法を用いる、という方針が妥当だと思います。
行政上の地名を優先しても問題ないのは、為政者と住民が完全に同じ地名文化を共有している場合に限られる、ということを強く認識していただければと思います。
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name の値の優先順位は、以下の順序でよいのではないかと思います。
(1) 住民の認識
(2) 住民の認識が具体的に屋外などで表記されたもの (文字数制限などで住民でも (1) と異なる表記をすることがあります)
(3) 行政上の表記
あくまでも、住民の認識が最優先です。
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愚痴になってしまいますが、
https://www.openstreetmap.org/relation/5731380
の name のように、札幌市内の表記は、広範囲におかしなことになっています。最終変更者へ、正しい表記にするようにと連絡をとったのですが、返信はあっても結局修正されず未だにおかしな表記のままです。あまりに広範囲におかしくなっているので、私自身も修正する気力が湧かず放置しています。
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